かの女王様の甘美な人間便器

本作は、スカトロ作品のなかでも徹底して「女王様とM男」という関係性を押し出した一本である。飾られた舞台や物語性はほとんどなく、視聴者が直面するのは苛烈な命令と、それに屈服していくM男の姿だ。全体の空気感は背徳的な濃度が強く、強い羞恥と服従の空気が画面いっぱいに広がる。その密度が「人間便器」という題材の残酷さをリアルに体現し、視聴者を異世界的な強制支配の空間に誘い込む。レビューでも「羨ましい」と表現されるように、単純な嫌悪ではなく欲望に絡め取られる快感が支配するのが特徴である。ここではスカトロの醍醐味が集約されている。

登場するかの女王様は、厳しい口調で命令を叩きつける風貌が最大の魅力であり、徹底した支配者として描かれる。手袋装着や直接素手で触れない距離感が「美しさを保ったまま命じる」というスタイルを示している点が特徴的だ。口コミではその点に物足りなさを指摘する声もあるが、むしろ清潔さを保ちながらも汚辱の指令を下すことで、現実感と非現実感を同時に引き寄せている。さらに「素晴らしい」と評されるように、彼女の堂々たる態度自体が視聴者にとって強烈な魅力を帯びている。キャラクター造形としては女王様AV的な緊張感を前面に押し出しており、フェチとしての支配と服従を一身に担っている。

具体的なプレイ面では、食糞の強制や鼻腔への詰め込み、さらには顔騎という流れがメインとなる。女王様の鋭い声で「ゴックン」を連呼するシーンは、口コミでも高い評価が見られ、命令に対してM男の体が痙攣するさまが強烈な見どころだ。飲み込みの視認性が弱いという指摘もあったが、それも没入感を削がない範囲での意見と言えよう。羞恥と汚辱が入り混じる中で、腰の反りや息の乱れ、強制支配の高揚がにじみ出る。加えて、臨場感を生みつつもカメラワークが粗いというレビューも散見され、ハンドカメラが画面に写り込む点は惜しい評価をされている。しかしながら、それも裏側を垣間見るようなリアリティの一部として鑑賞できる余地がある。

レーベル「超醜い豚便器」は、その名が示す通り徹底した汚辱フェチを追求する方向性を定番化しており、本作も例外ではない。ストーリー構成は薄い反面、プレイの直接性を前面に出すスタイルが際立ち、スカトロ領域を好む層に向けて明確に焦点化されている。演出法としてはアングル違いの繰り返しが多いものの、それがマニアにとっては細部の差異を楽しむ契機となる。嘔吐要素など他作に期待される要素に対して不足を指摘する声もあるが、逆に食糞や顔騎といった核となるフェチを凝縮して配置することで、特化したニーズに応える内容を実現している。ジャンル内の多様性を踏まえたとき、この一本は女王様支配型のスカトロAVにおけるストイックな演出の典型である。